零度の華 Ⅰ
歩くこと2分
たかが風呂場まで着くのに2分かかるとは、さすが豪邸
広すぎだ
木造で和を強調している
まさに組の家と言わんばかりの造り
あたしがイメージしたそのもの
「ここが風呂だ。男女分かれている。着替えはお袋が後から持ってくる」
温泉かここは、とツッコミを入れようと思ったが言葉を飲み込んだ
「楓、後から行くから先にリビングに行っとけ」
うんと笑顔で楓は組員と廊下を歩いていった
梟銀夜はスタスタと中に入っていく
あたしも中に入り、着ている全ての服を脱ぐ
そして下着を脱ごうとして手を止めた
問題発生
別に見られてもさほど心配はないが、サラシをどうするか
なんで?と聞かれたときの説明を考えておかなければない
まだサラシは何とかなるが、1つは見られると面倒なことがある
それは、ウィッグの存在だ
これはどうにもこうにも出来ない