零度の華 Ⅰ


組員たちはそれを聞いてもなお、再び質問をする




「どうしてですか?」


次はあたしが答える




『雨に濡れちゃって。それで梟さんが風邪引くといけないからと...』


「普通にしろ」




早速、口出しかよ

組員達は疑問抱いているし、押し通す気もない



『はいはい。遠慮なくそうさせてもらう』



口調、雰囲気が一変したため驚く組員等



『これが素、です』



どこか納得できない顔であたしを見る



その時、楓の手を握る男の子と組員が引き戸を開けこちらを見ていた



「ぎんにぃー!!」



楓はそういって梟銀夜の膝の上に乗る



「兄貴、隣の人は?」




楓の手を握っていたのは楓の兄で梟銀夜の弟の雄也‐ユウヤ‐

兄の銀夜とよく似て顔立ちは綺麗だ



『初めまして、雨月羽空です。お邪魔してます』


「初めまして、梟雄也です」



弟と軽く自己紹介が済み、雄也は兄の隣に座る




「ぎんにぃー、ぎんにぃー!」


「ん、なんだ?」


「あのね、さっきお母さんのお手伝いしてきたの」


「偉いな」


頭を撫でられ喜ぶ楓の姿を見るとまるで犬だ


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