零度の華 Ⅰ


一口、口に運び食べ進める


普通の煮物より味が濃く作られているな

いかにも酒のすすむ味だ



「それにしても、兄貴が女の人連れてくるのは初めてだな」


雄也の一言に男達が反応を示す



「もしかして彼女ですか?」


彼女だとか、付き合っているだのと騒ぎたてる

組員に彼氏がいることを伝える



すると、すいませんでしたと謝りだした




『大丈夫ですよ』



あたしなのか、それとも梟銀夜に向けられた謝罪なのか分からないが、返事は返しておいた


人が多いのは慣れているが、一体化されるのは慣れない


だから、面倒だと思う



組員達は次はああたしの彼氏について知りたがる


質問に答えているが早く終わらないかと、内心ずっとイライラしていた


その後も話題がつきることがない


彼氏の話が終わると趣味はなんだとかプライベートまで聞く


適当にあしらう



男達の口は閉じらず、あの時俺はこうだった、あぁだったなど昔のことを話し始めた


はっきり言ってどうでもいい



興味なんて湧かない





< 180 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop