零度の華 Ⅰ
組員を含む梟家はあたしが"いい女"を演じていることに気づいている様子はない
梟銀夜でさえ、学校の雰囲気で接しているため、偽っていることは分かっていない
一通り食事が終わり片付けと入る
あたしはほんの数秒、解放感に浸った後、後片付けを手伝う
「羽空さん!ゆっくりしていてください!」
『いえ、お邪魔しているからこれくらいやらせてほしい、です』
「雨月。一緒に来い」
梟銀夜があたしを呼ぶ
それにより、組員の男が行くように促す
『話はいつでもいいだろ?これ、手伝う』
梟銀夜は一瞥すると、父親とこの大広間を出ていった
「羽空さん、ここは俺達でやりますから行ってきてください」
『大丈夫です。やらせてください』
あたしは男達を無視をして歩みを台所へと進めていく
台所ではローズが洗い物をしていた
『手伝いますよ』
後ろから洗い物を手伝う
「あら、ゆっくりしていいのに!」
『あたしが好きでやっているんで気にしないでください。それにお邪魔してるし』
「気にしなくていいのに」
二人で洗い物を済ましていく