零度の華 Ⅰ
『フランス語と日本語、どちらが話しやすいです?』
突然の質問に驚いていた
「そうね、やっぱりフランス語かしら」
その答えを聞いたあたしはフランス語でJ'ei compis(わかった)と答えた
これには相当驚いている
「フランス語できるの?」
日本語で話すローズに対して、あたしはフランス語
『はい。フランス語以外にも何か国か話せます。楽な方で話してください。合わせるんで』
手を休めることなく洗い物を続ける
「じゃあこっちで。それにしても上手ね」
ローズはフランス語で話し始めた
『これくらいできないと旅行もできないので』
「フランスに旅行する予定なの?」
『はい、いつかする予定です』
旅行なんてお気楽なことあたしがするわけない
あたしが外国に飛ぶときは殺しだけ
「そうなのね。あ!そういえば、親御さんに連絡した?今夜は泊っていくといいわ」
先程の愛川のことを思い出す