零度の華 Ⅰ
携帯にすごい通知がきているんだろうな
開けたらびっくりのびっくり箱のようになっていると想像つく
あたしに"悲しい"という感情は持ち合わせてないし、いらないから捨てるという考えは否定しない
正直、親なんていらないと思っているから優しい言葉なんていらない
「羽空ちゃん?どうかした?」
自分のことを考えすぎていたあたしはボーっとしていたみたいだ
『あ、すいません。あたし、親いないんでそれに関しては大丈夫です』
「ごめんね、嫌なことを思い出させちゃったね」
そのとき、後ろに気配をかすかに感じたので振り返ってみると、雄也が立っていた
「雄也。どうかしたの?」
「羽空さんが台所で洗い物してるって聞いたから、代わろうかなと思って」
『大丈夫ですよ。これくらいさせてください』
「あ、わかりました。それより驚きました。フランス語を話せるんなんて」
「こんなに上手に話せる人いないわよ」
ローズはあたしを褒めまくる