零度の華 Ⅰ
「兄貴、待たされるの嫌いだから怒っているだろうな。すぐ行った方がいいよ。俺、案内する」
『ごめんね、ありがとう。ローズさん、中途半端なところで抜けてすいません』
「いいのよ!!助かったし、楽しかったわ。ありがとね」
あたしはローズに一礼し雄也についていく
本当に思い出したことは、月に一度の"―アレの日-"だ
まだ、明日じゃないだけで良かったと思うべきか
"-アレの日―"の前日はこれの比なんてならない
しかし、明日は確か.....
「ここだよ。兄貴、入るぞ」
雄也の声で気持ちを切り替える
中には梟銀夜と隆弘がいた
「親父、どうして兄貴の部屋に?」
「話しがあったからだ。羽空ちゃん、座ってくれ。君とも話しがしたかったんだ」
あたしは『はい』と言って隆弘の前に梟銀夜の横に座る
雄也は不思議そうに思いながら、2人の空気から自分の入る場所はないと察知して去っていった