零度の華 Ⅰ



『今、世間を騒がせている有名な奴だよ』


眉を顰める

どうやら、ピンときてない様子


『ここまで言って分からないのかよ。呆れた。あたしは殺し屋に仕える情報屋だ』



二人の頭の中に一人の人物が浮かび上がったようだ



「お前の先客って零(ゼロ)のことか!?」


ようやく分かったか

浮かび上がるのに時間がかかりすぎだ


それでも組織の上に立つ者なのか?

よくこれまで生き延びてきたものだ



あぁ、他の奴等はこれ以下だからか、と勝手に納得する




『そういうこと。これで点が結ぶつくんじゃない?』


「ICE(アイス)という情報屋は君だったのか」


「まてよ、親父。ICE(アイス)は男っていう話だろ」


『それはお前達が勝手に認識したんだろう?あたしは一言も男だなんて言った覚えはない』



男や女だと自分から言っていない


あたしを見た誰かが、フードで顔が見えないからシルエットだけで男と判断して広まったのが始まりだ


あたし的には行動しやすく楽だと思ったから、否定はしなかったしする気もなかった


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