零度の華 Ⅰ




公園に行ったのは気まぐれだ

悲しみに浸っていたわけじゃない



あたしはただ、親に縛られている子供を哀れに思っていただけだ

親も子が選べないように、子も親を選べやしない

親は勝手な愛とやらで子供を愛でて縛る

自分の理想を掲げ押し付けては、自由に生きろという矛盾を聞かせる


そんなものなら要らない



『言ったはずだろ?捨てられたことで今がある。あたしは今がすごく楽しい。最高にな』



梟銀夜に微笑みをかける

この微笑みがどう映ったのか


それ以上何かを言ってくることはなかった




しばらく夜空を眺めた後、部屋に戻り眠りについた



朝方4時、あたしは目を覚まし音を立てぬように帰り支度をし、梟家を出た




何もなしに出ていくのは失礼だから置手紙は残してはきた

置手紙も失礼だとは知っているが、それ以外思いつかなかった



それに、梟家とは何かと縁がありそうだったから、それで済ましとく




ここからアジトまで遠い

だから、近くのコンビニへ来るように雲雀を起こして頼んだ



「俺の睡眠を減らすなよ」


車に乗った早々、あたしに向け文句を言う



『自分の仕事をあたしに回して、あたしは倍の量の仕事をすことになるんだぞ?それに比べたらいいだろ』


「お前、明日アレだろ?」



いきなり話の内容が変わる

自由人すぎる


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