零度の華 Ⅰ
「燕(スワロー)待たせたな」
「いえ、それにしてもどうして時間をずらすのですか?」
「こいつの用事があるからな」
あたしの方を見て、自分はスタスタと特等席へと歩いていく
ドカッと座るとあたしを見つめる
「零(ゼロ)のためですか?」
「まぁ、ちょっと問題が起こるとまずいんだよ」
「問題?」
あたしの今の現状を知っているのはここに1人しかいない
『思うように体が動かねぇんだ。俺の体が動くうちに終わらせておきたいんだ』
よく理解ができていない様子の燕(スワロー)
知らなくていい
あたしのことを知る者が増えるのは望んでない
「そういうことだ。21時に開始する。20時半にここ(アジト)の駐車場で待ち合わせな」
「分かりました。俺はこれで失礼します」
時計を確認すれば、今はまだ午前8時