零度の華 Ⅰ
『理由が必要か。あたしがこのままボスの座へと立っては面白くない。お前の能力を覚醒させて使える、そう思っただけだ』
体をソファーに預けているのにも関わらず、気怠さや重さが消えず、眉を顰める
「お前らしいと言えばお前らしいが。本当にそれだけか?」
『しつこい。それだけだ』
どんな答えを求めて聞いていた?
どんな言葉を望んでいた?
未だに意味深な顔をしている雲雀と目が合う
そんなことで頭を使っているなんてくだらない
『あたし、帰る』
ソファーから立ち、部屋を出る
自分の家へと歩いて帰り、真っ黒に自分を染める
まだまだ時間がある
人に混じるのも今のあたしにはキツイだけ
ベットに横になる
明日になれば何もできずに動かない体になるから明日の仕事をやろうか考えたが、雲雀にやらせればいいかと考える