零度の華 Ⅰ


こんな時に会いたくないが、会うしかないか



車の組の前で止まり、異変に気付いたそいつ等は急いで中に入ってくる


そして、あたし達の前に現れる



「これは......」


言葉にならない有り様だろうな

後藤組は全員、息の根が止まっている


辺りは血の海と死体の山





「お前達がやったのか!?お前達は何者だ!!」



声を上げるのはあたしと同じ年の梟雄也





そう、ここに来たのは梟組だったのだ


全員ではなくほんの数人だな




『そう声を上げるな。うるせぇのは嫌いなんだよ』



あたしは雄也に向けて言った後、梟銀夜と目を合わす


あちらはあたしを睨んでくる




『久しぶりだな』



あたしは微笑みを含めて言う


「誰だ」


『おいおい、俺のこと忘れたのかよ。俺は零(ゼロ)だ』




そういうと目を見開き驚く


それは梟組全員だ




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