零度の華 Ⅰ
今はそんなことには構ってやれない
説明はどうせ雲雀からされるだろう
「このまま、ドライブでもするか?」
『ふざけるな。面白がるのもいい加減にしろ』
「お前がこんなに焦っているところを見るのは久しぶりだ。尚更、お前の焦る顔を見続けたい」
ただでさえイライラしているのに、怒りを買うような言葉を並べる
怒りのあまり殺気を飛ばす
『これ以上口を開かず、家まで真っ直ぐ行け』
それと、と加えてもう一言
『これくらいの殺気で怯む様な奴に、俺を遊ぶことは出来ねぇよ』
先程の殺気と今の殺気に2人とも怯んで動けない
里見忍は初めてあたしの殺気を浴びて、あたしへの恐怖が生まれただろう
雲雀は小さい頃のあたしの殺気を浴びて以来、ずっと浴びてなかった
殺気に慣れなんてないけどな
こんなもんで怯んでもらったらあたしが遊べなくなる