零度の華 Ⅰ
コツッ、コツッとあたしの足音が響く廊下に、もう一つの足音がきこえてきた
廊下を歩きエレベーターに乗ると、男が1人あたしの次に乗ってくる
その後は扉が閉まり上へとのぼった
「零(ゼロ)、今日はいつもより早いご到着ではないですか?」
『ボスに呼ばれたんだ。毒蛇(ヴァイパー)、頼まれた資料は終わりそうか?』
「えぇ。今日中には終わります。そういえば、昨日は大変だったそうで?」
『大袈裟だ。俺が獲物を狩った後に野次馬が来ただけ。だから時間がかかった』
「そうでしたか。では、ついたようなので私はこれで失礼します」
『あぁ』
エレベーターが38階で止まったところでヴァイパーと呼んだ男は降りた