零度の華 Ⅰ
ヴァイパーを和訳すると毒蛇
これはコードネーム
ここにいる奴は全員がコードネームを持っていて、コードネームで互いを呼び合っている
本名を知っているのは、ボスとあたしのみ
ボスは本人から聞いているが、あたしは調べて把握している
毒蛇(ヴァイパー)の本名は白蛇昴-シロダスバル-
歳はあたしより2個上で19歳
常に敬語で話す
白髪に赤目をしている
これはコードネームに合うようにとヴァイパーが自ら染め、カラーコンタクトで赤目を作っている
そこまでする理由はあたしには分からない
似せる必要などないのにと本人に言ったら、「私なりの忠誠の証、ですかね」と言っていった
それを聞いても理解はできない
あたしは1人、最上階で降りすぐ目の前にあるドアをノックして入る
『失礼します。零(ゼロ)です。お呼びでしょうか、ボス』
ガラス張りの前に立ち外を眺めていたスーツ姿のボスは、あたしの方に振り返りこちらに歩み寄ってくる