零度の華 Ⅰ
因みに、あたしはここの総リーダーをして指揮している
情報屋ではICE(アイス)の名を持ち、殺し屋ではコードネームである零(ゼロ)の名で通っている
あたしは女という性別を隠し、男として組織の仕事を受けている
それに男として世間に広がっているからこちらの方が動きやすい
組織の中では、あたしが女ということはボスしか知る者がいない
『雲雀』
仁霧雲雀-ヒトキリヒバリ-
あたし達のボスである
本名を知っているのはあたしだけだと思う
あたしは静かにボスの名を呼ぶ
ボスは微笑んだ後、距離を縮めそっと唇を重ねた
そして、何も無かったのように話をする
「狼にはこの資料をまとめてほしい。それと、これに目を通しとけ。全て零(ゼロ)宛にきた仕事だ」
渡されたプリントの山の中に今日使うための資料が入っている
今日は会議の日で、その会議は午後8時から