零度の華 Ⅰ
下の奴等より手応えはあるものの物足りない感じがする
あたしは両手に短刀を持っているが、相手に向けることなくただただ攻撃を避けるだけ
「攻撃できないのか?零(ゼロ)も大したことないな」
誰かが言う
それに便乗するように笑い出す
コイツ等は馬鹿か
死神(グリム・リーパー)はちゃんと分っている
あたしが本気ではなく余裕であることを
『自惚れるな。てめぇ等ごときに俺が手が出せないと本気で思っているのか?お前等の弱さに戦意喪失しているだけだ』
言葉と同時に2人の心臓に刀を突き刺した
刀を抜くと鮮明な赤が、真っ白な床を彩るように斑点模様をつける
『これが、俺を殺すために集められた戦士か?こんな実力でよく俺を殺そうと考えたな』
あたしは持ってきた布きれで、刃についている血をふき取り短刀一本を鞘におさめる
もう一本も同じようにしようとすると、残り5人が殺意を持ってあたしを殺しにかかってきた