零度の華 Ⅰ
殺れる前に殺れ、か
自身を守るためにはいかに早く相手を殺すかだ
それが殺し屋の世界
あたしは残り5人を一撃で終わらせた
時間を確認すると任務完了予定時刻まではまだ余裕がある
あたしが勝手に決めた予定時間
これを過ぎてしまえば、最も楽しみにしていることを逃すこととなる
何があってもそれだけは避けたい
だが、そんな心配はする必要はないようだ
「チッ。どいつもこいつも役立たずが。俺の立てた作戦を無駄にしやがって」
『お前は自分のものにして手柄を奪うつもりだったんだろ。もとは死神(グリム・リーパー)が考えたものだ』
「何故、私が考えたと分かるんですか?」
『死神(グリム・リーパー)の殺り方は嵐だ。相手に攻撃の隙を与えない。対して、悪魔(オウガ)は雨。確実に相手を一撃で殺る』
死神(グリム・リーパー)の作戦に悪魔(オウガ)が上書きしたということだ