零度の華 Ⅰ
もとは最初から攻撃が待っていたはずだがそれをやめさせ、あたしを油断させておいて殺すつもりだったのだろうな
3階では数で勝負ではなく、1,2階に配置されるはずだった奴等
それを悪魔(オウガ)が数での勝負に持ち越し、確実にあたしを殺すつもりだった
そんな作戦も無惨な結果となったがな
『自信過剰の俺だが油断はしない。神経は研ぎ澄まされている』
自分で言うのもおかしいがそれだけの実力も実績もある
狙われることも多々ある中で、一秒たりとも油断なんてできない
一秒でも油断したら"死"だ
「さすが、零(ゼロ)ですね」
「おい、感心している場合かよ。さっさと殺るぞ」
No.1の悪魔(オウガ)は戦闘態勢に入っている
あたしは先手を取り、まず死神(グリム・リーパー)を狙って短刀を振る
死神(グリム・リーパー)とは手合わせをする約束をしていた
約束を守ると共にあたしも1度死神(グリム・リーパー)とやり合いをしてみたかった
あたしは殺さず殺さられずという形で死神と刀を交える
悪魔(オーカ)はそんなあたし達を見てタイミングを見計らい、あたしを狙い銃での攻撃を仕掛けてくる
銃弾は避けているものの腕や足を掠めていく
チッ、銃弾が邪魔だな
そうと思った時、死神(グリム・リーパー)があたしとの距離を開けた
そして口を開く
「どういうおつもりですか?」
『何がだ?』
「恍けないでください。私を殺す気はなくただ遊んでいるだけに気付かないとでも思いましたか?』
やっぱり気づいていたか………