零度の華 Ⅰ

あたしはフッと笑って見せる


『死神(グリム・リーパー)、俺と組まないか?』


あたしの言葉に死神(グリム・リーパー)ではなく悪魔(オウカ)が驚きを見せる



「それはMIUNIT(ミニュイ)への勧誘ですか?」


『違う。個人的な勧誘だ。お前は俺と一緒で組織なんてものに興味はない。ただ、殺しさえできればどうでもいいだろ?』


コイツの殺しの腕は確かだ

あたしは個人的に死神(グリム・リーパー)のことが気に入った



誰も何も言葉を発しない


睨むわけでも、怪しむわけでもなく、あたしを見ている




あたし達のやり取りを横で聞いていた悪魔(オウガ)が無言の空気を破り、ペラペラ話し出した



「零(ゼロ)、死神(グリム・リーパー)がお前のもとに行くわけねぇだろ。コイツはSQUELETTE(スクレット)のモノだ。そもそも、敵だった人間が味方に付くと思ってんのか?それにMIUNIT(ミニュイ)の中で問題児のお前にそんな権利はねぇだろ」



死神(グリム・リーパー)は無表情で刀を抜いて、悪魔(オウガ)の腹部に刺していた




「て...めぇ」


「よく喋りますね。私はSQUELETTE(スクレット)のモノになった覚えはありませんよ」






目の前で起こっている光景にニヤッと笑う


膝をつき、倒れそうになる体を支えながら胸に潜めていた銃を手にした




銃口は死神(グリム・リーパー)へと向いている






「うら、ぎる.....つも、り、か」


「裏切る?私は初めから仲間になったつもりはありません。弱いくせに意気がる姿は、実に見苦しい他ありませんでしたよ」


「て、めぇ。恩を、仇で......返す、気か」


「勘違いも甚だしいですね。あの場所に貴方がたが来ただけです。SQUELETTE(スクレット)に入ったのも気まぐれです」




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