零度の華 Ⅰ
あたしは持ってきたライターで燃えそうなものに火をつける
同じように1階1階、下に降りていく
死体を全て灰にするため
火事で終わればそれでいい
人が出てきたのなら、身元不明でいい
そのために人に火をつけたのだから
零(ゼロ)がこの火事に関与していたことは今回は、公にしなくていいだろう
さぁ、次の目的地へ行こうか
顔を隠すものがなくなったが、変装しているから隠さなくてもいいだろう
『内野亜紀』
「やはり、知られていましたか。何でしょう?」
『お前は今から烏(クロウ)として、俺の体になってくれるか?』
「アナタの体?」
『詳しい話は後でする、これから面白いことが待っているからな。どうだ、ついてくるか?』
あたしは口角を上げて見せた
「はい。面白いこと、というのが気になりましたので」
バイクの後部座席に亜紀を乗せ発進させた