零度の華 Ⅰ



久しぶり本気で殺したいと思った


あたしの雰囲気が一気に変わり、殺気のせいでピリピリとする空気



「あ……あ……」


沙也加はうまく声を出せてない



『殺す』




早歩きで沙也加のもとへ行くも前にいる橘ヒロが邪魔になる



『チッ』



舌打ちしながらも足は止めない

手を伸ばしたところで足を止めることとなった



『チッ』




二度目の舌打ち


メスは橘ヒロの首の前で止まり、銃口があたしの蟀谷(こめかみ)へと向いている



『どういうつもりだ』


「その手を下ろせ」


『ボス命令か?敵であり、裏切り者を庇うのか?』


「沙也加は仲間だ。裏切り者ではない」




雲雀の目を見れば、何言ってもコイツ等2人をあたしから逃す気だ




あたしは仕方なく、手を下ろし(きびす)を返す

部屋を出る際に、最後の忠告をする



『お前達がどう生きようと、あたしの知ったことではない。だが、狙われの身だということを忘れず、せいぜい逃げまくれ。あたしがお前達を殺す、その時まで』



亜紀はあたしの後について行き、この建物から去る



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