零度の華 Ⅰ
バイクが置かれている場所まで向かう
「零(ゼロ)も優しいじゃないですか?」
無言で亜紀を見て次の言葉を待つ
「わざわざ殺さず、忠告までしてあげるなんて、普通できません。それにあの2人の恐怖心が和らいだように見えましたし」
ここでようやくあたしは口を開く
『烏(クロウ)。あたしは別に優しくした覚えはない。あたしにとってアイツ等2人はただの玩具だ。烏(クロウ)が思うほど恐怖心が和らいでいたのなら、誘導させ確実に面白く殺せるだろう』
あたしは本当のバケモノにも悪魔にもなれそうだ
人を玩具として楽しんで殺すなんて、ただの異常者でしかない
別にあたしは何と呼ばれようが構わないが、創り上げたのは人間(ヒト)だと理解してほしい
「怖い人ですね」
『思ってもないこと言うなよ』
「思ってますよ。誰も貴女に敵う者はいないでしょう」
『それは面白くない。烏(クロウ)、お前にする詳しい話をする。明日、××駅の前に午前10時に待ち合わせだ』
「分かりました」
バイクが置かれているそこであたしと亜紀は別れた
家に帰ると変装をとき、自分についた血の臭いを消す
そして、眠りにつく