零度の華 Ⅰ
「零(ゼロ)のことですから、もう知っていると思いますが、あなたの命を狙っている殺し屋が増えています」
『それで?お前の言いたいことは何だ?』
「警戒した方がよいかと」
あたしはフッと鼻で笑う
毒蛇(ヴァイパー)の言うように、そのことについては知ってる
『いらない心配だな。俺が簡単に下級相手に殺られるようなタマに見えるか?最も、その殺し屋がこの中にいるのならば話は別だが』
「いいえ、それはないですよ。それに、いたとしても、貴方に適う者なんて何処探してもいないでしょう。貴方を殺せる人がいるのならば、私も会ってみたいです」
『あぁ、俺も会ってこの目で見てみたい』
「有り得ないと思いますがね。では、私はこれで失礼します」
毒蛇(ヴァイパー)はそれだけ言うと、あたしのもとから去った
先程の会話を気にすることなく、その後も残りの会議用の資料をまとめる作業を続ける