零度の華 Ⅰ
『あたしがお前に言ったこと覚えてるか?』
いつものあたしに戻る
「"俺の体になれ"でしたよね」
『そうだ。具体的には影武者ということだ』
「何故、私なのですか?MIUNIT(ミニュイ)の中で見つけた方がいいでしょう?敵であった私よりも」
『アイツ等はダメだ。頭が堅い奴等ばかりだし、すぐにバレてしまう。お前ならあたしが何も言わずともあたしらしい行動がとれる』
「出会って1日も経ってない私を信用しているんですか?」
信用……ね
あたしに信用する心があれば、今頃あたしはどんな人生を送っていたんだろうな
『フッ。あたしは誰も信用してねぇ。人は駒か玩具でしかない』
「私は駒ということですか」
『断ってもいい。ただ、あたしに今ここで殺されるだけだ』
数秒、お互いに目を逸らさなかった
あたしは亜紀を本気で殺す気でいる
零(ゼロ)が女だということを知っている唯一の人だ
広められると動きにくい