零度の華 Ⅰ
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《1時に○○カフェに来てくれ》
メールを送り時間をかけて変装をする
今日は8/14
菖蒲(アイリス)と約束していた日付だ
前日に話があると言ったが時間と場所は決めていなかった
変装を済ませ、目的地まで向かう
既に菖蒲(アイリス)はカフェの前で待っている
『すまない。待たせたか?』
「い、いえ!全然、待っていないです。私も今、来たところですから」
『そうか』
あたしは菖蒲(アイリス)に紙とペンを渡した
不思議そうにこちらを見た後、紙に目を通した
《俺の事はアオと呼ぶように》
この街中で零(ゼロ)なんて呼ばれたら大騒ぎだ
菖蒲(アイリス)はペンで紙に書いてあたしに返す
《私はヒカリと呼んでください》
あたしが本名を知らないと思って書いたのか、別の理由か
コイツが決めたことに何か言うつもりはない