零度の華 Ⅰ



「中に入らないんですか?」


『1人待っているんだ』



菖蒲(アイリス)との話が終わり次第、烏(クロウ)に話しておくことがある



「お待たせして申し訳ありません」


待ち合わせ時間の3分遅れで烏(クロウ)が来た



『中に入るぞ』



ドアを開けるとカランカランとオシャレなベルがあたし達を迎えてくれる




「いらっしゃいませ。3名様ですか?」


『あぁ』


「こちらへどうぞ」




店員に席を案内されるがままに席に座る



「ご注文がお決まりになりましたらお呼びください。では、ごゆっくり」




お決まりのセリフを言うと立ち去った


話をする前にそれぞれ飲み物を頼んだ


あたしと亜紀はアイスコーヒーで光はレモンティー




「あの…そちらの方は?」


光の目には亜紀が映っている



『コイツはクロで俺の友人なんだ』



亜紀はペコリと頭を下げ丁寧に挨拶をしている

それに応えるように光は自分の紹介をした



「私はヒカリです。よろしくお願いします」




友人と言えば裏の人間だとすぐに分かるだろ



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