零度の華 Ⅰ
『じゃあ、話をする。ヒカリ、頼みたいことはこれだ』
あたしは鞄から1つのファイルを出した
『これに一通りの流れが書いてある。分からないことがあったら連絡してくれ。期間は3週間』
ヒカリはファイルの中に目を通している
内容はアナウンサーとしてテレビで活動すること
危険すぎる仕事だ
テレビに映るということは多くの人間に顔が知られるということ
捕まる確率が極めて高くなる
渋い顔の光に弱い言葉をかける
『無理なら断ってもいい。危険だと分かっている。でも、俺にはヒカリにしか頼む奴がいないんだ』
悲しい顔を見せると光は驚くも覚悟を決めた顔つきとなった
「やります。アオさんが私のことを頼ってくれるのなら、私はそれに応えるだけです」
『本当にいいのか?』
「はい」
『すまない。ありがとう。3週間と少ないが頼んだ』
「任せてください。今から準備をしたいので失礼します。お代は……_」
『それは気にするな。俺が払う』
「でも…」
『いいから、払わせてくれ』
「ありがとうございます」