零度の華 Ⅰ
光はカフェを出て行った
中から外に出た光を目で追う
横顔を見ると嬉しそうな顔をしている
あたしも微笑ましいよ
「わざとらしですね。分かっていたのでしょ?あの人が断らないことを」
『あぁ、分かっていた。俺が頼んだことは全てやってくれる。いい駒だ』
「それにしても、自ら危険に飛び込むなんて、無茶しますね。あの人の様子からして、貴女に恋しているように見えましたけど」
ストローに口をつける
コーヒーは少しずつなくなり、氷が音を立てた
『あぁ。あいつは俺に惚れている。何も知らずに』
あたしが女だだと言うことを知らず、男として零(ゼロ)を見ている
「教えなのですか?」
『教えねぇよ。使えなくなるし、まだ早い』
女だと知ってしまったら、放心状態が1週間は続きそうだ
仕事にも影響を与えかねない
男と思われているのであれば、それでいい