零度の華 Ⅰ
「その時は本気でお前を殺すぞ、狼-ロウ-」
今までにない低い声
これは本気で殺されそうだな
ゾクゾクしてきた
『面白そうだな。本気で殺していいぞ』
でも、雲雀に殺されるほどあたしはそんな弱くない
寧ろ、あたしの圧勝ですぐに勝負がついてしまうだろう
結果はその時が来ればすぐ分かること
時間が気になり時計を見ると記者会見まで約1時間半となっていた
『あたしの話はここまでだ。じゃあな』
あたしは雲雀に背を向けた
背中で雲雀の殺気を痛いほど感じられる
そんなにあたしを殺したいのなら、その機会を早めに設けようじゃないか
ニヤリと不気味な笑みは誰かに見られることはなかった
自分の家に戻ってくると何をして時間を潰すか悩んだ
悩むぐらいならもう少し雲雀と遊んでおけば良かったと後悔中
だが、話すこともないから遊ぶこともできなかっただろう