零度の華 Ⅰ


どうせならこの時間は、愛用の武器を磨くとするか


そう思いテーブルの上に短刀2本と小刀3本、銃2丁を並べる


他の殺し屋と武器の数を比べると、どちらかというと多い方だと思う


基本、1種類の武器を使いこなしそれを殺しに活かす



あたしの場合、1種類だけを極めることなくあらゆる場面を想定し、色んな武器を使えるようにしている




しかし、基本的に短刀2本を使った2刀流のスタイルだ



実はこの2本の短刀には名がある。


いつも右手で持つ短刀は【黒刃ークロバー】

左手で持つ短刀は【氷刃ーヒョウバー】



【黒刃】はその名の通り、刃の部分が黒くなっているから



そして、【氷刃】は驚くほど鋭く光り、よく切れ凍り付くほどだったことから作り手がそう名付けた



どちらも使いこなせる者が現れず、眠っていた2本をあたしが起こしたんだ




2本とあたしの相性はすごくいい



刀があたしを試し、あたしが刀を試した結果、お互いがお互いを認めた



今ではパートナーというわけだ





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