零度の華 Ⅰ



翼も、あたしと向かい合うようにしてソファーに座った

そして、少し間を空けて翼はあたしに尋ねる



「それより、"零(ゼロ)"って知ってるか?」


『あぁ、あの殺人鬼か。ソイツがどうしたんだ?』


「フードを被って正体不明。そいつが去った後は、吹雪のように冷たく固まってしまうほど酷い有り様らしいと言われる奴の正体が掴めなくてな。お前なら何か知っていると思ってな」




酷い有り様ね........



翼は元暴走族であり、現情報屋である




『同じ情報屋である、あたしに聞いたところで結果は同じだと思うがな』


「ICE(アイス)であるお前なら俺よりは何かしら情報を持っているだろう」






あたしも翼同様に情報屋"も"している



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