零度の華 Ⅰ
「待て!」
鷹見があたしの腕をとり、止めた
『何だ?』
「何故、光華に入るんだ?」
『暇つぶし』
それ以外の理由が思いつかない
「お前が何者かは知らねーけど、族の世界を舐めてると、命落とすぞ」
あたしは鼻を鳴らし笑った
そんなこと、いちいち言われなくても分かっている
族のような甘い世界と比べものにならない世界に、あたしは立っているのだから
『命を落とさないように、それなりの努力をする』
言葉が言い終わると同時に、鷹見の手を払い応接室を出る