零度の華 Ⅰ
『それ、愛川に対して言っているのと同じって受け取っていい?』
少しは取り乱すと思っていた鮫島は意外にも冷静に反論する
「ランは俺達の姫だ。守りたいと思ったから俺達の傍にいてもらっている。お前とは訳が違う」
俯きがちだった愛川は鮫島の言葉を聞き、顔が綻んでいる
大方、邪魔じゃないということの安堵と意志の強い言葉が嬉しかったんだろう
パチパチパチ
拍手をすると皆が注目する
『とても美しい仲間の形だこと。それとも、他に違う気持ちが働いているからか?どちらにせよ、あたしには綺麗事を並べているようにしか聞こえない』