零度の華 Ⅰ
その証拠に、虎山は笑みを浮かべ、鷹見と梟はあたしを見ようとしない
愛川は必死になって、勝負を止めようとしている
「こんなのやめなよ。男と女の力なんて、目に見えているでしょ!?勝てる筈ないよ!」
あたしは、愛川に向けて微量の殺気を飛ばす
案の定、怯え震え出した
黒い笑みを浮かべ嫌味を込めて忠告する
『見た目で判断するなとか言っておきながら、自分も同じことをしていることに気づけ。それと、あたしは普通の女とは違うから覚えといて。力だけが強さじゃない』
「おい、ランに何してるんだよ!!」
『忠告をしたまでだ。手は出してない。それで、勝負を受ける?』
「受けるに決まっているだろ。後悔しても遅いからな」
捨て台詞とともに、掴まれた胸ぐらが乱暴に離された