零度の華 Ⅰ
あたしは様子見程度で力を抜いて拳を振るう
こいつ等との喧嘩なんてこれから先できないと思うと、どれくらいの実力なのか知りたいと思った
鮫島は余裕で拳を避けながらも、残念そうな表情を見せる
威勢はいいものの、こんなものかと思っているのが顔に現れている
あたしは少し距離をおき、拳を振るうのをやめた
「なんだ?もう終わりか?口ほどにもねぇな」
言いたい放題言ってくれる奴だな
無駄口が多すぎる
『そういうのは勝負が終わってから言うもんだろ。次は攻めてきて』
あたしを弱いと判断し、未だ口だけが威勢のいいことに嫌気をさしている鮫島は、次の攻撃で決めてくるだろう