零度の華 Ⅰ


あたしは余裕をもって鮫島の拳を避けると、鮫島の首に手刀を入れる手前で手を止めた


数秒、時が止まったように思えた時間は梟の「終わりだ」と言う一言で現実に引き戻される




「まだ終わってねぇだろ。俺は倒されてねぇぞ」


「勝負はついた。それを避けれなかった、お前の負けだ」




手刀を見ながら話す梟に何も言えなくなった鮫島は悔しそうな顔を見せ、あたしから離れる

あたしは手を下ろして、そのままポケットに突っ込んだ



『これで、光華のメンバー入りってことでいいよね?』


「あぁ、そういう約束だ」


「それじゃ~、早速、倉庫に行きますか~」


『今日はパス。色々とすることがあるから』



断りを入れると、邪険として見られる


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