零度の華 Ⅰ
「何しに来た」
『酷い言いようだな。あたし達仲間だろ?』
仲間という言葉を強調し、笑みを見せる
いつもなら突っかかってくる鮫島だが責任を感じてか悔しい、やるせない表情を見せるだけで何も言ってこない
『ワンワン吠えなくなって少しは利口になったみたいだな』
煩いと思っていたが鮫島の突っかかりもなくなると、面白くないから挑発をしてこの場を楽しむ
「てめぇ。人が黙っていると人を犬みてぇに言いやがって」
短気の鮫島を本気で怒らせたあたしは平気な顔で立つ
寧ろ、余裕をみせ笑顔を浮かべている
対して、愛川は慌てだしていた
「サメ!!落ち着いて!羽空ちゃんも挑発なんてしちゃいけないよ!」
『喧嘩を売られても勝てる自信しかない』
「その自信、今からでも潰してやる。屋上へ出ろ」
「ちょっと!!二人とも止めなよ!!」
愛川は必死に止めようとするが怒りに満ちた鮫島を抑えることができない