零度の華 Ⅰ




「二人共、いい加減に止めなよ」


鮫島の動きを止めたのは虎山の一言だった



「サメ、そんな安い挑発に乗せられる方が恥だと気づきなよ。羽空ちゃんは自分の立ち位置を弁えた方がいいよ。これは忠告だからね」



舌打ちをして静かにソファーに座る鮫島に、ホッと胸を下ろす愛川


『忠告は一応、心にとどめておく。あ、梟』


今まで目を閉じていた梟はあたしが名前を口にすると、目を静かに開けた

月のように綺麗な瞳があたしの姿を捉える




『今日は予定はないから光華の倉庫に連れて行ってくれないか?メンバーに挨拶とあたしの紹介も兼ねて』


「トラ、今日全員倉庫に集めろ」



あたしには見向きもせず、淡々と虎山に告げると再び銀色の瞳を閉じた




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