俺を好きになってよ。
プロローグ


好きな人の好きな人になりたい。
誰でもそう思うだろう。
もちろん私もだ。

でも私の場合それは叶わない。
なぜなら

「ねぇ、りっちゃん!今日も由(よし)くんカッコいいね!」

「麻衣子(まいこ)、あんたそれ何回目…」

私の可愛い一番の友達、園田麻衣子(そのだ まいこ)。
麻衣子が今、目で追っているのは

「凛月(りつ)」

「何、よっしー」

よっしーこと前田由貴(まえだ よしたか)。
爽やかで真面目な男子。
勉強が得意。
モテモテ。

「あ、いやー、そうだ!ノート見してくんない?」

あーもう、わかりやすいんだよ。
よっしーが考えてることなんて分かってる。
自分で言えばいいのにさ。

「ごめん、生憎、私もノート書いてないの。麻衣子に見してもらいなよ」

「「えっ!」」

二人して声揃えちゃって。
2人とも顔赤すぎ…。

よっしーは普通にノート受け取ってたけど、顔めっちゃ赤かったし。
麻衣子も麻衣子でよっしーが去ってってもよっしーがいた場所見つめてるし。

2人とも茹でたこ。

見てわかるとおり麻衣子はよっしーが好き。
で、よっしーも麻衣子が好き。

両思い。
なのにお互い変な距離のまま。
早くくっつけ。


そして、






私、日高凛月(ひだか りつ)はよっしーが好き。






叶うことのない恋をしてる。
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