俺を好きになってよ。


日差しが強く、遠くに陽炎が見える。
じりじりと汗が吹き出てくる。

あ、暑い…。

「ひゃっふ〜!!由貴!!海まで競走だ!!」

「あ、おい、まてっ!」

よっしーと南が海まで走っていく。
元気だな…。

麻衣子は超真剣な顔で砂でお城を作っている。
楽しそうだな…。



そんな私は

「帰りたい…」

パラソルの下で膝に顔を埋めていた。

運動は好きだけどインドア派の私にはこの暑さは強敵!!

涼しかったらいいのに〜!!!


しかも、人混み…!!
苦手すぎる!!



「ねぇ、君1人ー?」

「遊ばない?」

誰だこの2人組。
知らないんですけど!!

「嫌です」

「そんな事言わずにさ〜」

「ちょっ!」

一人の男が腕を掴んできた。気持ち悪いから!!
もう、無理…そう思った時。

「やめろよ」

「って…!何すんだ!」

え。

そう思って顔を上げると私の前に男の人が立っていた。




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