俺を好きになってよ。
「おはよう、凛月」
「おはよう!よっしー!」
教室に入るなり、よっしーが挨拶してきた。
あの事があってからというものの、何事も無かったかのように話しかけてくる。
その事にちょっぴり戸惑ったものの、今まで通りに接してくれるから、私も今まで通りに接しようと思った。
まだ少し気まずいけど…ちょっとずつ気軽に話せるようになろう。
夏休み明けのクラスの雰囲気はだるさが残っていた。
皆、もっと休み欲しいって思ってるよね…。
それは私も思っていた。
長期休みが続くとついついゴロゴロしたくなって、いつの間にかそれが習慣づけされちゃうんだよね〜。
「あ、そういえば麻衣子、例の人とは?」
「うん!順調だよ〜!」
あら、ラブラブそうでなにより。
例の人とは、前に麻衣子とぶつかってしまった人。
旭川 紀章(あさひかわ きしょう)さん。
3年生でかっこよくて、強くて人気だとか。
部活で強いのかな?
そういえばあの時、ちゃんと顔見とけばよかったなって思った。
どんな顔だったんだろう?
「麻衣子」
「あっ!きぃくん!」
麻衣子が教室の扉まで走っていく。
彼氏さんの登場!
どんな彼氏なのだろうと思いつつ、麻衣子が走っていく方向に目を向けた。