俺を好きになってよ。
「はい、ストーップ」
私と御守先輩の中に割って入ってくる人物が。
「…っ!南!」
御守先輩に手を出そうとしてしまった私の腕を掴む。
「先輩ーあんましこの子いじめないでね?この子すぐ怒っちゃうから」
「なっ…!」
短気な性格なのは認めるけども!
今のは完全にこの人達が悪いでしょ!?
って言おうと思ったのに。
「ち、違うの…南っ!この子が…私が南の元カノって事だけでバカにしてきて…」
「…は、何言って…っ!」
な、何で泣くの!?
そして、何で私が悪者に!?
どうしてこんな事になるの…?
先輩が泣いていたから周りに人が集まってきた。
見せ物じゃないっての!
「そっか、そうだったんだ…」
「ちょ…南っ、私は!」
何もしてない。
そう言おうとしたけど南が人差し指を口に当ててきた。
冷たい視線を向けて。
静かにしてて。
そう言うように。
まって、南まで私が悪者なんて思ってるの…?
そんな目今まで見たことない。
意味わかんない…。
諦めようとしていたその時。
「りっちゃんはそんな事しないから。りっちゃんは確かに正直だ。だけどさ」
そこまで言ったところで南は私を引き寄せる。
肩においた手に力がはいった。
「いくら正直でもりっちゃんは、悪いことは嫌いなんだよ。だからりっちゃんが悪口なんて言うわけない。今度りっちゃん傷つけたら許さないからね」
笑顔を崩さないで御守先輩達に言う南。
あ、あの…目、笑ってないんですが…。
御守先輩達は場が悪くなったのかバツが悪そうな顔で去っていった。
それと同時に周りにいた生徒もまばらになっていく。
助けてくれた…んだよね。
「あ、あの、南…」
「……」
私が声をかけても何も返事をしてくれない。
返事をする代わりに肩にある手に力が入っていく。
や、やばい…
「南…っ、い…たい…っ!」
「…あっ、ごめんっ!!」
やっと気づいたのか手を離してくれた。
私…なんかした?
はっ!
やっぱりまだ私が悪口言ったって信じてるんじゃ!
「み、南!さっきの事なんだけど…」