俺を好きになってよ。

「りっちゃん、教科書忘れたから、見してー」

「はい、どーぞ」

こういうやり取りは普段と変わらない。
だから、普通を保って接する。


「……そーいえば、御守先輩と付き合ったんだね」

「うん、より戻したー」

「……より?」

よりを戻したってことは過去に付き合ってたってことだよね…?
御守先輩と付き合ってたんだ…。

だから、御守先輩に最初あった時からあんな目にあったのか…。


「そうなんだ…」

「なに?もしかして俺とフリが終わって悲しんでるのー?」

「な、にいって…!私は好きでフリしてた訳じゃないし!終わってあー良かったって思ってるよ!」



あ、


と思った時には遅くて。

南の顔が一瞬傷ついたように見えた。
でもそれは一瞬で直ぐに笑った。

「もー相変わらずのツンデレだなー!」


絶対、今のは傷ついたよね…。

調子狂うな…。
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