俺を好きになってよ。
……まぁ、アレだね。
どんまいってやつ?
女の子全員好きとか、たらしすぎる!
そんな男はほんとに最低だよね。
でも平手打ちといい、ぐーぱんといい……それには同情するよ。
てゆーか、倒れてから一向に起きないんだけど、大丈夫?
「…私には関係ない…」
見なかったことに……なんて事も出来なくて。そういう事したくない性格だから、渋々その男の子に近づく。
地毛?それとも染めた?
髪の毛は自然な茶色でワックスで無造作にはねさせた感じ。
鼻筋も通っていて目は伏せていたけどまつげが長い。
そして、急に目が開き、一瞬ドキッとした。
やっぱり、性格はクズだけど顔はよかった。
「…あ、可愛い」
「見るつもりは無かったんだけど…大丈夫?」
男の言葉はスルーして頬の心配をする。
口の端から血が出ていることに気がついた。
だって、ぐーぱん、頬だもん。
痛そう…。
血を見るのは昔から苦手だった。自分のでさえも。
でも、今は緊急。
「…血、嫌いなんだね」
男が察したように言ったけどそれもスルーした。
とりあえず、ハンカチで血を拭き、ポケットに入っていた絆創膏を貼る。
私、女子力高いんで!
まぁ、それは何の役にもたちません!!
彼氏いないんで!!
「…ありがとう、かわい子ちゃん」
はっ…かわい子ちゃんって。
「アンタ、目腐ってんじゃない?」