俺を好きになってよ。
「はは、気が強いタイプは嫌いじゃないよ」
「あっそー」
「俺と付き合っちゃうー?」
うん、コイツほんとにタラシだ。
さっき女の子に殴られたのにまだ懲りないのか。
いつか刺されるんじゃないかと心配になるよ。
「アンタ…」
「佐野南だよ。南って呼んで?」
今怒ろうとしてた時なのに、何故自己紹介。
マイペースなのか、コイツ。
しかも、馴れ馴れしいし、犬みたいだな。
「あー、じゃあその南くんは女の子をなんだと思ってんのさ」
「ははっ、そのって!…んー、暇つぶし?」
私は腹にぐーぱんしたくなった。いや、もうしたけど。
なんだコイツ、こんな奴この世から消えればいいのに。
暇つぶし?分からないけど多分向こうは本気で好きだったはず。なのに、その子と付き合うのはタダの暇つぶし。
遊んでるだけ。
飽きたら捨てるの繰り返しってこと?
「ふざけんな」
「え?」
訳が分からないみたいな顔してるけどあんたのしてる事が訳分からん!!