俺を好きになってよ。


(奈那side)


あの騒動の後。
私と善子、明美は教室に戻った。

何なのあの子調子に乗って。
私より可愛くないくせに。

南もあんな、気が強い女のどこがいいんだか。

「ねぇ、あの子の名前って?」

南はりっちゃんって呼んでたけど。

明美が少し考えて思い出したのか、教えてくれた。

「確か…日高凛月。だと思う」

「…日高…凛月」

へぇ…。

別に名前なんてどうでもよかった。

けど、何となく知りたかっただけ。

あの子が今の南の彼女…ねぇ。

あんな、南初めて見たかも。

『りっちゃん、怪我してない!?』

その場を去る時に見た南の顔。

あんな、心配そうな顔見たことなかった。

私と付き合っている時なんてあんな顔見せるなんて一度もなかったのに。

ただ、いつものように笑いかけているだけだった。


なのに…

「気に食わない…」

南の隣には私しかいない。

私がずっと隣にいるべきなのよ。

あんな女にとられてたまるもんですか。

日高凛月。


これで終わるなんて大間違いよ…?
私に恥をかかせた罰よ。

覚悟しなさい…。






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