俺を好きになってよ。
「ゆうちゃん、何聴いてるの?」
「え?ああ…聴く?」
「うん!」
私は片方のイヤホンを受け取り、耳にいれる。
音楽は今話題のバンドで、私もよく聴いているやつだった。
「これ、私が好きな曲!ゆうちゃんも好きなの?」
「うん、最近ハマっちゃって。この間CD買っちゃった!」
「そうなの!?私、この間でたCD買い逃しちゃってたの!」
「よかったら、貸そうか?今日、凛月の家行くよ」
「いいの!?ありがとう、ゆうちゃん!!」
バンドの話をしながらバスに乗った時、ゆうちゃんが何かに気がついて私の顔をじーっと見る。
「どうしたの?何か顔についてる?」
「いや……凛月、今日メイクしたの?」
「うん!天使なゆうちゃんの隣を歩くのにスッピンは嫌だから!!」
天使……?何の事か分からないゆうちゃんは首を傾げる。
そう!それ!!その目!!!
キラキラな目!!!それに、金色に近い色の髪の毛!!!
まさに天使みたい!!!
「そうなんだ…」
「…メイク、変?」
「いや、可愛いよ。メイクしなくても十分可愛いのになーって!」
「もーお世辞はよして!」
「お世辞じゃないよ」
ゆうちゃんが急に真剣な目でこちらを見るから、言葉につまった。
「凛月は自覚ないかもしれないけれど、昔から襲いたいくらい可愛いから」
「え…」
「ほら、それ。…顔赤くするのも誰にも見せたくない」
「…ゆうちゃん…っ」
ゆうちゃんってこんなに大胆だったっけ?
そんな事言われたら誰だって顔赤くなるよ〜!!
ていうか、今私達がいる場所を思い出す。
「ゆうちゃん、ここ、バス…っ!!」
「…あ、そうだった」
いや、そうだったじゃないから!!!