俺を好きになってよ。

そうこうしているうちにバスが学校の近くのバス停に止まり、私達は降りる。

校門を通ると案の定、こちらをチラチラと見る人たちが。

いや、正確に言うとゆうちゃんを見る人が。

「ねぇ、凛月。オレ、見られてる…?なんかした…?」

「いやいや、何もしてないよ!」

こんなかっこいい人ウチの学校にいたっけ?って思ってる人がたくさんなんだよ!!

ゆうちゃんこそ自覚ないのかな…?


職員室の場所を伝えると私はゆうちゃんと別れ、自分の教室に向かう。


そして、教室に1歩足を踏み入れたら

「ねぇ、凛月ちゃん!あのひと凛月ちゃんの知り合い!?」

「今日、2人で登校しなかった!?」

「どういう関係なの!?」

「え…あの、」

せめて自分の席に行かせてください!!
私の前にはたくさんの女子達が。ほかのクラスの子まで…!!

私が何をしたの!?

「ほら、今日一緒に登校してたイケメンの子!!」

「ああ…ただのいとこだよ…」

「いいな〜!!紹介してぇ〜!!」

みたいな声が聞こえるけど無理やり自分の席につく。

ホント女子ってこういう時だけにあまり話さない人を使うよね…。

「りっちゃん…どうかしたの?」

「今日からいとこがこの学校に来るんだ〜」

「そういうことね…」

大変だね…って顔で見てくる麻衣子。ホント大変ですわ。

そう言えばゆうちゃん、何組になったんだろ。

「りっちゃん、おはー!」

「おはー…」

「あっれ!元気ないけど、どーしたの?」

「別に…朝からテンション高いね、南は」

チラリと隣に座る南を見るとニコニコしてた。
いつもテンション高くて羨ましいよ…。


というか、




「ボタン、1つとめたら?」

「えー、暑いもーん」

「…首。目立つよ」

「え?…あ、そうだったー」

そう言って南はボタンを1つとめた。

なんで私がこんな事言ってるの…。
でも、見たくなかった。



南の首にはキスマークがついてたから。



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