俺を好きになってよ。
そもそも、なぜ私と南が付き合ってるフリをしているのか。
ちゃんとおさらいしておこう。
それは、
「ねぇ!麻衣子、よっしー!お昼食べよー!」
「いいよー!食べよー!」
「おう、学食行く?」
この2人に接近するためなんですよ。
だから、私は南の事は恋愛として好きではない。
「りっちゃん、ほっぺにご飯ついてるよー」
「え、嘘!どこ」
「もーしょうがないなー、とってあげるよ」
「ありがとう、南!」
南、優しいじゃんって思うよね。
このシチュエーションドキッとすると思うよね。
全部南が考えた作戦だよ!!!
これでちょっと嫉妬してくれるといいなー、とか言ってたけど!
無理っしょ!!
なんて心の中で考えながら2人の方を向く。
…お?
「お前ら…」
「2人とも…」
え!何その顔!
ちょっとこまりがおなんだけど!
もしかして上手くいったの!?こんなので!?
「見ているこっちが恥ずかしいわ!よそでやれ」
違いますよね!
分かってますよ!
そんな簡単にいくわけないよね。
いってたらフリなんてしてないっつーの。
私は立ち上がり、お皿を食堂に返しに行く。
そしたら、後ろからよっしーも返しに来ていた。
ってことは…
私が座っていた場所を見る。
机には南と麻衣子が。
2人とも仲良しげに話しているぞ!!
これは私もチャンス!
なんて、思っていても結局あの話題しか思い浮かばなかった。
「ねぇ!最近麻衣子とどうなの?」
「どうって…普通だけど…?」
普通なのかい。
もっとあるじゃん?
いつも2人で帰ったりしてるんだからさー!
「そっか、告白はしないの?」
何自分で言って自分で傷ついてるんだ。
しょうがない事なんだよ。
今。
今ここで告白したらどうなるんだろう。
「よっしー、聞いてほしい!私と南が付き合ってたなんて嘘なの!本当は…本当はずっと前からよっしーの事が好きだったの!!」
「…えっ、それホントなの…?」
私は必死に頷く。
「実はさ…俺も本当は園田が好きなんじゃなくて…凛月が好きだったんだ」
「えっ…」
「俺達…付き合う…?」
「はい…」
そして私達は恋人同士になったのである。
ああ、教会の鐘がなっている。
私今なら空まで飛んでいけるかも…。